佐久市議会 令和7年 第2回 定例会一般質問 三石さとし議員

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令和7年6月13日に佐久市議会で行われた一般質問の内容を、わかりやすくお伝えします。

今回は三石議員が、子育て支援や安全対策など、私たちの生活に密接に関わる重要な問題について質問しました。

1. 保育園の利用をもっと身近に – 保育認定制度の課題

現在の問題点

佐久市の保育園利用には「保育認定」という制度があります。現在は、両親だけでなく同居している祖父母など親族の就労状況も審査対象になっています。

これにより、以下のような問題が発生しています:

  • 書類提出の負担が重い – 祖父母の分まで就労証明書などの書類を複数回提出する必要
  • 精神的な負担 – 祖父母が働いていないと保育園に入りにくくなる不安
  • 時代に合わない制度 – 引きこもりなど現代の家庭事情に対応できていない

議員の提案

三石議員は、厚生労働省が2014年に出した指針に基づき、保育認定を両親のみの状況で判断すべきだと主張しました。少なくとも、同居親族の状況は優先順位の調整にとどめるべきだとしています。

市の回答

福祉部長の説明:

  • 家庭全体の状況を見る必要があり、同居親族が保育できる状況なら必ずしも保育が必要とは言えない
  • 客観的な基準で判断するため、対象となる全ての方に書類提出をお願いしている
  • 引きこもりなど個別の状況は、法律に定める12の事由に照らして適切に判断する

市長の見解: 市長は「時代に合ったルール」を念頭に置いて検討すると表明。引きこもりのケースが増加している現状を踏まえ、時代の変化を考慮した柔軟な対応を真剣に検討することを約束しました。

2. 行方不明者対策 – 冬期通行止めの安全管理

背景となった事故

冬期通行止めの市道で、行方不明者が通行止め区間に侵入し、悲劇的な事故が発生しました。議員は、この事故を受けて市の安全対策について質問しました。

現在の対応状況

行方不明者の発生状況(過去3年):

  • 令和4年度:12件発生、消防団出動1件
  • 令和5年度:10件発生、消防団出動3件
  • 令和6年度:8件発生、消防団出動1件
  • 令和7年度(6月まで):8件発生、消防団出動2件

捜索の流れ:

  1. 警察への届出(警察が捜索の主体)
  2. 警察から消防署・消防団への協力要請
  3. 防災無線、市ホームページ、SNSなどでの情報発信
  4. 消防団による捜索活動(警察と連携)

通行止めゲートの管理問題

現在の管理方法:

  • 3つの林道(大河原線、金沢線、妙木荒船線)で冬期通行止めを実施
  • バリケードと看板を設置しているが、人力で移動できる仕様

人力で移動できる理由:

  • 緊急災害時の隣接自治体住民の通行を想定
  • 鳥獣被害対策で猟友会が入る必要がある

市の今後の対応

市は「想定外のことが起きている」と認識し、県の方針も踏まえて今後の対応について検討していくと表明しました。

3. 学校給食費無償化への道筋

全国的な無償化の流れ

文部科学省の調査によると、全国の教育委員会の約30%(547自治体)が小学生全体を対象に無償化を実施。これは6年前の5%から大幅に増加しており、保護者の経済的負担軽減策として広がっています。

市民の声

令和7年3月19日に6,354筆の給食費無償化を求める署名が市に提出されました。市は「無償化の実現を望む声は一定程度多くある状況」と受け止めています。

政府の動向

政府は2026年度に小学校を念頭に給食費の無償化を実施するとの報道がありますが、現在国や県から具体的な内容は示されていない状況です。

佐久市の現状と課題

無償化に必要な財源: 佐久市で無償化を実施するためには、毎年度約5億円規模の財源が必要となります。

現在の市の方針:

  • 国や県による財政支援がない現状では、市独自での先行無償化は考えていない
  • 物価高騰対策として一時的な補助(令和6年度20円、今年度10円)を実施
  • 米の値上がりに対しては1食あたり7円から14円の補助を継続

まとめ

今回の一般質問では、子育て支援の制度改善から安全対策、教育費の負担軽減まで、市民生活に直結する重要な問題が取り上げられました。

特に注目すべきは、市長が保育認定制度について「時代に合ったルール」を検討すると明言したことです。これは多くの子育て世帯にとって朗報といえますね。

僕も、「祖父母がいるから預けられるだろう」という基準は、前時代的であると感じました。

一方で、給食費無償化については財源の問題があり、国や県の動向を注視しながらの対応となりそうですが、

・お金がない
・財源がない

と言っていては、何も変わりません。
「何にどれくらい使うか?」という優先度の問題ではありますが、対話や意見表明からのアイデアだし、実現も大切ですよね。

これらの問題について、市民の皆さんからのご意見やご要望も重要です。市政への関心を持ち続け、より良い佐久市づくりに参加していきましょう!

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桑原だいすけ
桑原だいすけ
2020年佐久市移住。佐久市を良くしたい人。移住者向け専門不動産会社経営/地域交流拠点「まちのリビングルーム さくのす」運営
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